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連載 村山 順子さん 『心を届ける手紙(1)』

コロナ禍の今だからこそ、コミュニケーションの方法を見直してみませんか。(写真はイメージです)
コロナ禍の今だからこそ、コミュニケーションの方法を見直してみませんか。(写真はイメージです)

おじいちゃん・おばあちゃんが、お孫さんに書く手紙」


 こんにちは!私は「手書きの手紙」をお勧めしている、神戸市中央区の村山順子と申します。皆様、お孫さんはいらっしゃいますか?(いらっしゃらない方、ごめんなさい)

 

 お孫さんへの連絡は、LINETV電話でしょうか?すぐに声が聞け、顔が見えて良いですよね。私も時々利用していますが、よく絵葉書や手紙を書いています。絵葉書を書くようになったのは、私の姿を見ただけで泣き叫んで会うことができなかった孫へ、毎日書いて送ろう!と思ったことがきっかけでした。金沢に住んでいる娘の長女、15歳になった優ちゃんの事、書かせて頂きますね。

 

 優ちゃんは、赤ちゃんの頃は私が抱っこしても、ニコニコしていました。それが、人見知りをするようになると、私を見るだけで「ギャー」と悲鳴にも似た泣き声。尋常でない泣き声に、とても抱っこはできませんでした。毎回同じで、金沢から娘一家に帰ってきて欲しいけれど、泣かれるのはとても悲しかったです。娘も私に悪い・・と思っていたようです。そんなある日、こんな嬉しい電話が掛かってきました。

 

 お母さん、優ちゃん平仮名が読めるようになったよ!」と。

 

 私は”やった〜“と思い、買いためていた綺麗な絵葉書に、優ちゃん宛に平仮名で、毎日、毎日、葉書を書きました。「優ちゃん、今日は何して遊んだの?何食べたのかな?この話(日本お伽噺の絵葉書)はパパに聞いてね、ママに聞いてね」など、何気ない事を書いて送りました。時々優ちゃんから、「バァちゃん、お手紙、いっぱいいっぱいちょうだいネ!」と電話があります。

  

 

 毎日、優ちゃん宛の葉書を送り続けて4ヶ月。金沢行きの電車に乗って、金沢駅につきました。小さな優ちゃんは改札口を擦り抜けて、「バァちゃん!」と、初めて自分から私の胸に飛び込んできてくれました。抱きしめました!胸がいっぱいになりました。3歳の孫も、自分宛に毎日届く絵葉書を、楽しみに待っていてくれたのです!娘は、優ちゃんに届く葉書をファイルに綴じてくれていました。その中の一冊を借りて、手紙のセミナーに参加されるおじいちゃん、おばあちゃん方に見てもらっています。

お孫さんの顔を思い浮かべながら、話しかけるように書いてみましょう。
お孫さんの顔を思い浮かべながら、話しかけるように書いてみましょう。

 手書きの葉書や手紙は、手間暇がかかります。ですが、お孫さんの事を思って書くその時間も「お孫さんへの贈り物!」ではないでしょうか。また手紙や葉書は、いつでも読み返せます。どれほど自分が、おじいちゃん、おばあちゃんから愛されて大きくなったことかが伝わります。孫たちへの葉書は、今は月に一回ぐらいになっています。何か送る時も一言、孫たちへのメッセージを書いて入れています。孫たちからも私に、葉書や手紙が届きます。私は、旅行に行ったときなど、その土地の切手や絵葉書を買います。そして、いつでも思い立った時にすぐ書けるように「手紙セット」・・中には、絵葉書や一筆箋、切手、封筒、ノリなど・・を持ち歩いています。

 

 「手書きの手紙(葉書)は優しい心の贈り物」ではないでしょうか。

  

 お孫さんの誕生日、入学、卒業、成人式、就職、結婚など人生の様々な節目に、手書きの手紙を送る習慣を、おじいちゃん、おばあちゃんからお孫さんへプレゼントされてはいかがでしょうか。


著者プロフィール


村山 順子 さん 鹿児島県沖永良部島出身

有限会社プロシード 代表取締役 会長

一般社団法人神戸暮らしの学校  代表理事

 

13歳のときに単身で沖永良部島から神戸に出てきて就学。短大卒業後小学校の教諭となる。青春時代を子供たちとの学校生活で過ごし、結婚のため退職、専業主婦となる。

 

夫の急逝をきっかけに52歳で家事代行サービス会社を起業。起業を決意するきっかけが、夫からの手紙だったことから、多くの人に手紙で大切な人に素直な気持ちを伝えて欲しいと「心を届ける手紙のセミナー」を2004年よりはじめる。

 

手紙のセミナーは、2019年には全国47都道府県で開催され、2021年現在10,000人以上の方が参加されています。 

 

著書:「人生を変えた10行の手紙」(ぱるす出版)

   「60歳の約束 見えますか、聴こえますか、これでいいですか」(創英社/三省堂書店)