特集記事


-Forest Times Special Feature-  THE 7th ISSUE of 2022

ブランチビジネスアカデミー開校

~新たな分野での地域貢献を目指して~

ブランチビジネスアカデミー 学長 船越 秀樹


「ビジネスを学ぶ。本質を見る。」

実践的なマーケティングスキルを手に入れよう!


2022年5月、BRANCH神戸学園都市テナント会が主宰するスクール『ブランチビジネスアカデミー』が誕生します。

5月22日(日)の開校日に「経営学・マーケティング」講師として登壇される 船越 秀樹 学長にインタビューしました。


ブランチビジネスアカデミー設立のきっかけ


船越 秀樹 学長
船越 秀樹 学長

———— まずは、ビジネスアカデミーの開校に至った経緯をお聞かせください。

 

昨年度(2021年度)、関西国際大学(神戸山手キャンパス・観光学科)の学生の皆さんと、フィールドワークでご一緒させていただいたことが、そもそものはじまりです。

 

※参考記事 神戸新聞NEXT 2021/7/10

 

まず(2021年)7月に、ブランチ神戸学園都市の施設内で「観察調査会」を行いました。消費者の視点で「テナントを視察し、課題を抽出。その後、解決案を発表いただく」という授業でした。

 

そして(2021年)10月からは、「覆面調査会(ミステリーショッピングリサーチ)」を実施しました。学生の皆さんは、ブランチで“お客様”としてお買い物をしながら、店員たちの接客態度や商品説明力などのスキルチェックを行いました。2022年1月に実施した「成果発表会」では、各テナントへの改善提案を発表していただきました。

 

これらの経験から、テナント会独自の「教育プログラム」を作成し、「サービス・ラーニング」として提供する「ブランチビジネスアカデミー」の設立へとつながりました。今年度は、関西国際大学の履修合格者のみを受講対象とさせていただきますが、ゆくゆくは、より多くの方にご参加いただけるようにと、考えています。



コロナ禍で学んだ「普遍的な日常」への感謝


2021年7月8日、10日「観察調査会」での一コマ
2021年7月8日、10日「観察調査会」での一コマ

———— コロナ禍という状況の中で、フィールドワークを実施されるには相当のご苦労があったかと思います。ここに至るまでの心境をお聞かせいただけますか。

 

長引くコロナ禍は、人々の生活を一変させてしまったとつくづく感じています。非対面・非接触をうたう「新しい生活様式」へとシフトする一方で、「普遍的な日常」が失われていったのも事実です。

 

例えば、学生の皆さんは、学校に通って授業を受けるという日常から、自宅でオンライン授業を受ける日常へと変化しました。ある人は、「経済的な理由から学校に通えなくなり、やむなく故郷へ帰られた」と聞きました。またある人は、「入学とコロナ禍の始まりが重なったことで、リアルな交流機会を得られずストレスを抱えるようになった」とも聞きました。

 

私はとても複雑な気持ちになりました。同時に、学生の皆さんに何か少しでもお役立ちができれば、と考えるようになりました。こうして考え出された取り組みが、「フィールドワーク」でした。

 

開催に至るまで、様々な方のお力添えをいただきました。店主たちの体調管理はもちろんのこと、衛生管理や関係各所との調整など、これまで経験したことのないプレッシャーもありましたが、今となっては良き思い出です。今はただ、コロナ禍前の「普遍的な日常」と、この取り組みを支えてくださった方々に感謝するばかりです。この場をお借りしてお礼を申し上げます。 



ブランチビジネスアカデミーで得られる学び


 

 

 ———— ブランチビジネスアカデミーでは、どんな「学び」が得られるのでしょうか。

 

ブランチビジネスアカデミーは、次の5つのカテゴリーからなる教育プログラムで構成されています。

  1. 経営学・マーケティング論
  2. 館内調査
  3. 近隣SC(ショッピングセンター)調査
  4. 魅力発信
  5. イベント運営(縁日・ハロウィン・節分祭)

テナント会に所属する店主が、それぞれの専門分野に基づく、「経営学・マーケティング論」を提供します。アパレルから美容サービス、飲食業まで、幅広い分野で学生の皆さんにレクチャーします。

 

また座学に加え、リアルな商業活動(実技)にも参加していただきます。イベント運営やSNSによる情報発信は、広告・イベント業界における「インターンシップ(職業体験)」に近い取り組みです。

 

これらのプログラムは、「聞く・読む・想像する」ことだけでは学べないビジネスの「本質」をつかむことにつながると思います。



受講生の皆さんへ


 

 

 ———— では最後に、今後の展望と受講生の皆さんへのメッセージをお願いします。

 

個人的なことを申し上げるならは、会社経営者として事業を継続するために、どのようなビジョンに向かって進むべきなのかを真剣に考える時期となりました。

 

『会社とは、地域に貢献する公のものであり、貢献なくして存在価値を持つことはない』と自負しております。私はこの想いを有言実行できるよう、地道な努力を積み重ねていきたいと考えています。

 

受講生の皆さんには、私やその他の店主たちが培ってきたノウハウを、よりリアルに体感していただければ幸いです。私たちがこれまで培ってきた経験から、何かをつかんでいただければ嬉しいです。

 

例えば、私たちテナント会が自前でイベントを実施したきっかけは、「何かお祭りをやりたいね」というささいな会話から生まれました。でも「やりたいね」で終わってしまっては、何も始まりません。行動が必要です。では、どのようにして実現できたのでしょうか…。(学生の皆さん、どうか考えてみてください)

 

コロナ禍前までは、日本古来の伝統や文化を伝えるお祭りを中心に、地域の皆さまと交流を深めてまいりました。これからは、教育の分野でも地域の皆さまに貢献できるよう努めてまいります。



学長プロフィール


船越 秀樹(Hideki Funakoshi)

兵庫県姫路市出身

 

BRANCH神戸学園都市テナント会 会長

ブランチビジネスアカデミー 学長

 

1989年 ㈱小郡商事入社(現 ㈱ファーストリテイリング )

 

その後、店長職や本部勤務等を経て、

 

2015年 ユニクロ BRANCH神戸学園都市店 店長就任

      同年9月よりフランチャイズ店舗として独立

 

『世界のすべての人々に服を着る喜びと満足を提供する』という理念のもと、地域に根差した店舗経営に携わっている。